井戸

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真面目な多動


9月後半の日記

9月17日(土)
恋人と上野公園の台湾フェスに行った。彼が前から調べて狙っていたイベントだ。すぐ売り切れそうだったし台風も来ていたので、初日の開園同時に入場。まず服、次に雑貨を買う。予想通り、良いものは売り切れていたので早く来てよかった。3着ほど買えた。欲しいものを粗方狩り終わったあと飯に移行したのだが、冷麺の店のオペレーションが死ぬほど悪く、結局1時間ほど待った。台湾バンドの演奏が見ながら待てたので良かったっちゃ良かったけど、ディズニーランドより並ぶことになるとは思わなかった。彼はめちゃくちゃイライラしていた。台湾飯を食べると5年前、出張で行ったことを思い出す。飯もうまいし、写真集やZINE、台湾の漫画を扱う書店を巡るのが楽しかった。良い思い出しかない。また行きたい。

僕らは数年前からマグネットを集めている。どこかに旅行に行ってイケてるマグネットを見つけたら買い、冷蔵庫に貼っている。(観光地のマグネットはダサいものが多いからなかなか買うことができない)平たいのから立体的なものまで、さまざまだ。世の中のお土産物屋はステッカーやピンバッジではなく、マグネットのグッズをもっと増やしてほしい。

そのあと、サウナ「北欧」へ。「サ道」の撮影が行われているところだ。僕も彼も初めてだったが、予約制だったため特に並んだりすることも無く快適だった。広い外気浴スペースはこの日の気候も相まって、仄かな風が最高に気持ちよかった。
カレーを食べている時、隣の席の人がメンタリストダイゴの弟に似ていたので2人で「お?」となったが、マスクを外したら別人でがっかりする。ダイゴの弟はまあ普通の大学生っぽい感じだろうけど、それでも芸能人のちんことなるとちょっと拝んでおきたいものだと思ってしまう。

帰ろうとした時、彼が「クレジットカードが無い」と騒ぎ始める。入場する時カードで会計していたので、館内で落としたか自分で持っているかのどちらかだ。更衣室を逆戻りするも無い。「鞄の中身を一回全部出してみな?」と僕が言うと「見て、無かったから‥」とブツクサ言っていたが、結局鞄の中の本に挟まっていた。僕が無くしていたら彼はブチギレていただろう。せっかちな彼とマイペースな僕でバランスがとれてるんだろうな〜と思った。

9月19日(日)
ソラマチへ「金色のガッシュベル雷句誠原画展」を観に行く。台風だったけど意外と大丈夫だった。僕はガッシュに対してそこまで熱量があるわけではないが、彼はめちゃくちゃテンションが上がっていた。(チケットも彼が予約してくれた)入口では「カサブタ」と共に映像が流されていて、来場者の思い入れスイッチを入れるような設計になっていた。原画を見る。この人こんなに絵がうまい人だったんだ‥!と驚く。初期の頃からかなり光を意識した着彩をしているように感じた。漫画の原稿もカラーもかなり見応えがあった。僕ひとりでは行っていなかっただろう。来場者が「いかにも」ガッシュが好きそうな男子たちばかりだったのはちょっと面白かった。彼は11月にある冨樫展も予約してくれている。

9月22日(木)
仕事でインタビューを受ける。先輩と2人、対談形式で話したのだが、先輩に「こいつは真面目な多動」と言われてめちゃくちゃウケてしまった。絶対使えないだろそれ。積極的さを表現する褒め言葉として言ってくれている側面もあったのだろうが、ともかくADHDに許容のある職場でありがたい。

最近よく隣の席で仕事をしている同い年の同僚がずっと忙しそうだ。去年転職してきたばかりなのに持っている案件が多い。多いのもあるし、ディレクターがバラバラなのがとてもやりづらそう。僕も余裕があるわけではないけど、手伝ったりした方が良いのだろうか。変に手を出そうとするとかえって迷惑かもしれない‥とイマイチ踏み込めない。見て見ぬふりしていることに罪悪感を感じる。
彼は千葉に住んでいるらしいのだが、半年ほど前に近くのマンションの貯水槽で水死体が見つかる事件があったそうだ。生活用水の中から水死体が見つかるって‥。話しながら、そこに住んでいる人たちの気持ちを考えたけれど、かけ離れすぎていてフィクションのように思えてしまい頭が追いつかなかった。

夜は AとMとpodcastの収録をした。ワンピース嫌いを克服し、読み進めている話をしようとしていたのに、僕の偏見を告白する会へと変わってしまった。厨二病すぎて恥ずかしい内容だったけれど、2人が前向きに肯定してくれたので自尊心が保たれた。ちなみにワンピースは「ウォーターセブン編」と「ワノクニ編」以外全部読んだ。昔から絵がごちゃごちゃしていて苦手だな‥と思っていたのだが、Kindleでカラー版を買って読むとすんなり入り込めるし絵を楽しめる。ルフィが一番強いボスと戦っている所はちょっと飛ばす。船の上で船員たちがわちゃわちゃ楽しそうにしているところが好きなのだが、そういう場面はなかなか描かれなくて物足りない。海賊船に乗ってみたい。と言うとアホすぎるので客船とか。フェリーには乗ったことあるけれど、客室がある大型客船にちょっと憧れを感じる。大人っぽさと男の子感を併せ持っているサンジとロビンが好きだ。

9月23日(金)
祝日だったので、友人GとCと三鷹のコーナープリンティングに行き、シルクスクリーンでステッカーを作った。2版作ってわざと少しズラしたり、弾丸で行ったけどなかなか満足いくものができて嬉しかった。GとCが指輪の話をしていて、僕も欲しいけど自分に似合うかどうか分からない‥と言ったら、Cが作ってくれると言う。(Cは美大で金工を専攻していた)スキニーリングをいくつか付けるのが似合いそうと言ってくれた。確かに、細いリングだったら煩わしくもないししっくり来そうな気がする。

9月24日(土)
鎌倉に住んでいる先輩の家にデザイン室のメンバー5人で遊びに行く。30代で、東京勤務なのに鎌倉に家を買ってしまうなんて思い切ってるな〜と思ったけど、確かに楽しく過ごせそうな場所だった。結局思い切ったもん勝ちである。

プロジェクターで大画面スマブラをやったりナンジャモンジャをしたりした。途中でパスタやら雲呑やらも振る舞ってくれたりして、30代後半が3人いるだけで金持ちの遊び感が凄い出ていた。その先輩は面白いしめちゃくちゃ良い人だけど、こういうデザイナーには俺はなれないと思ってしまう。
僕はゲーム&ウォッチが一番得意なのだが、6人中3番目の実力だったのでなかなか強い2人に勝てなかった。回避とガードがうまくならないとダメだ。合間に海を観に行く。サーフィンしている人が大量にいて、台風ってなんだったんだ‥?という気持ちになった。鎌倉の砂浜でデカ犬を散歩させてる人はどういう暮らしをしているんだろう。ずっと、むず痒いな〜と思いつつ、こういうのが良くない。ただのやっかみだ。仕事の話などもしながら12時から23時まで居座って、まあまあ遊び倒す。職場の人と遊ぶのはかなり珍しいけど楽しい一日だった。

9月25日(日)
午前中そこそこ仕事を片付けたあと、有楽町のファミレスで同期と昼飯を食べる。普段は福岡で働いているのだが、たまたまこっちに来ていた。異動してからのエピソードを聞きながら元カノとのあれこれや、今狙っている女の子について聞く。僕はこいつを含めて3人仲の良い同期がいるのだが、共通して3人とも「賢いのに性欲バカ」だ。欲望に忠実な人は話していて気持ちが良い。開き直って、情けなさや恥ずかしさを受け入れているからかもしれない。

一緒にpodcastをやっている友人MとAとLINEをしていて、恋人に「マメに爪を切れ。爪が長いと日頃手マンしてないんじゃないかと周囲に疑われるぞ」と言われる話をしたところ、脳が性に支配されすぎていると指摘された。僕も人並みに爪を切る方ではあるが、彼は深爪では?というくらい爪を切る。脳が性に支配されているのは僕だけでなく彼もだったんだ‥と似たもの同士で交際できている喜びを謎に感じた。

9月30日(金)
ぎりぎりの案件が続いていたが、ようやく兆しが見えてきてホッとする。ここからまだデザインを詰めないといけないけれど、あとは作るだけなので作業でいい。20時にオフィスを出て、デザイン室の先輩たちと6人で飲む。22時頃に先輩をもう1人呼ぼうか〜と電話をかけると、まだオフィスにいて「本当にヤバくてそれどころじゃない」とのことだった。先輩2人は手伝いに行くことになったが、僕らは多分行っても足手まといになってしまうのでしっぽり飲み続けることにした。案件が増えていることに人が追いついていない。今年は仲の良い先輩からデカい案件を引き継いだから、来年はそれを回して実績を作る。再来年が転職を考える一番のターニングポイントになりそうだな‥と思った。どこに転職するのか、職種ごと変えてしまうか、そういうことを日々考えながら生きようと思った。