井戸

noteから移行しました。

スマトラトラとウイスキー

8/26(金)
19時頃まで残業をしていると、ひとつ年上の同僚も珍しく残業していた。この人はいつも早く帰ってしまうため、声をかけて話している内に「折角残ってるなら終わってからカラオケ行く?」と盛り上がる。後輩男子にも声をかけて20時半頃3人でオフィスを出た。
帰る時間も考えて飯屋には入らず、カラオケに直行する。僕は空腹だったので店内メニューにあったチーズナポリタンを注文した(それくらいしかまともな飯がなかった)。ゲロのような味がしたが、むしろそれがカラオケらしくて謎の納得をしてしまう。後輩男子とはこの前も一緒に行ったばかりだったけれど、僕が歌っていた赤い公園の曲を気に入ったようで早速歌い心地を試していた。彼は髭ダンやvaundyのような流行り歌を歌いながら、ふいにaikoなんかも歌うため聞いていて面白い。ひとつ年上の同僚とは5.6年ぶりのカラオケのような気がしたが、「こういう選曲する人だっけ?」というようなチョイスで不思議な気持ちになった。3人ともお互いの知らない曲を平然と入れるため、とてもラクな会だった。2時間歌って23時頃に店を出た。


8/27(土)
午前中だらだらした後、恋人と2人で家を出る。中野にあるウズベキスタン料理の店「VATANIM」に行く。先日、彼が書店帰りに「航空券1100円だった♪」と言いながら見せてきた「東京に居ながら世界の料理」(のようなニュアンスの名前の)グルメ本の中から決めた店だ。ウズベキスタン料理がどんなものか全く想像つかなかったが、写真を見る限りウマそうだったので期待していた。中野サンプラザの横を通ると何やら「それらしき」おじさんが多い気配を感じたので調べてみると、ハロコンが開催されているらしい。いつか行ってみたいと思ったけれど、同時に「それらしさ」に入り込めるか分からない不安も感じた。

VATANIMはめちゃくちゃ良い店だった。そんなに広くない店内で、壁にはウズベキスタンの(ファミマみたいなカラーリングの)国旗がかかっている。基本的に店員も客と一緒に座って雑談をしていて、料理が出来た時や他の客に呼ばれた時だけ立ち上がる、外国らしいイイゆるさがあった。常に現地の歌謡曲が流されていたのだが、哀愁漂う美しい声の女性の歌で、午後の日差しが差し込む店内と切ない雰囲気が妙にマッチしていた。料理もとてもおいしくて、ショルヴァ(ラム肉のスープ)、マンティ(ヨーグルト風味のソースがかかった大きい焼売のようなもの)、シャシリク(ラムと鶏の肉の串焼き)、タンディール ノン(中がぎっしりと詰まった丸いパン)、ヴァタニム(ドライフルーツとサワークリームのアイス)などを食べた。ラム肉は全然クセがなく、むしろ食感がしっかりしていて僕の好きな味だった。ヴァニタムは僕の好物のヌガーグラッセに似ていて、かつかなり具沢山で食べ応えがあった。ヌガーグラッセはフランス料理、カッサータはイタリア料理、ヴァニタムはウズベキスタン料理‥と似ているのにどれもちょっとずつ作られ方が違うのが面白い。炒飯・ナシゴレン・パエリアなんかもそうだけど、同じようなアウトプットを目指しつつ、それぞれ違う味覚・文化が組み込まれている料理って不思議だなと思う。文化の伝来からそうなっていったのか、それとも「米を炒める」みたいな工程からそれぞれの国でそれぞれ生まれたものなのか、そういうのはちょっと調べてみたい。後者のような「たまたま」似た工程を歩んで行き着いた似た料理を比較してみたい。逆に工程だけを輸出入して、素材や調味料に現地のものを使えば、21世紀になった現代でもまだまだ「今は名前のない料理」を生み出すことも可能なのだろう。

飯の後は2人で中野ブロードウェイを歩く。本屋タコシェで恋人は漫画を数冊買っていた。いつも上の階ばかりを歩いていたのだが、初めて地下にも降りてみる。八百屋や魚屋がこんな安いなんて知らなかった。ここってこんなになんでもあるんだなと驚く。売店でいちごとピスタチオのソフトクリームを食べて帰宅した。


8/28(日)
先日のpodcastでAとMと話した「上野動物園に行ったことのない僕のために最高のルートをプレゼンする回」を実現するべく、Aと2人で上野動物園に行った。podcastで感想を話しているので、詳しくはそちらを聞いてみて欲しい。600円で6時間も滞在できて、動物園があんなに楽しめる場所だなんて知らなかった。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%83%80%E3%83%A1%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%9D/id1470860988?i=1000578041166

ちなみにpodcast内では特に説明しなかったが、パンダは既に前売り券が完売してしまっていたため見ることができなかった。でもそんなこと忘れてしまうくらい色々な動物を見ることが出来たので特に問題はない。

動かない動物ばかりで退屈になってしまうことを想像していたのだが、この日の動物たちは結構駆け回っていて、スマトラトラなんてまさに、「分かったような顔でウロウロウロ檻の中」していた。また、動物を見ている人たちって面白いんだなーという発見もあった。マッチングアプリで出会ったばかりのように見える男女、恐らくyoutuberで動物園での企画を考える会話をしている青年2人組、通りがかりの来場者に知識をひけらかす来場者のおじさん、鳥の性別を言い当てる特殊能力を持った幼女‥など、不思議な人がたくさんいた。勿論、一緒に行ったAもいつも通りの切れ味で、動物園が好きだという気持ちを強調するために「水族館は空気が悪いよね」と水族館を貶していたり、「大学の同級生にデグーみたいって言われたことある。デグー、バカそうだよね。」などとキラーフレーズを連発していた。全然退屈にならなかった。

前回のpodcast内で「ヌメヌメした生き物が嫌いだ」という話をしたのだが、正確には、僕はアマガエルが大の苦手である。いまだにアマガエルを見るだけで背筋が凍り、鳥肌が立ち、喉の奥が締まる。いつまで経っても拭えないトラウマになっている。明確に原因は分かっていて、小学生に上がる前くらいの頃、自宅の風呂の窓を少しだけ開けて入浴しているときに、その隙間から2匹のアマガエルがぴょんと侵入してきたことがあった。僕は驚いて勢いよく仰け反り、蛇口に後頭部を強打して流血した。他にも、自転車の取っ手を握ろうとしたら引っ付いていたアマガエルを握ってしまったこと、自販機の取り出し口の中にアマガエルがいたこと‥など、幾度となく「ギャッ!!」という体験をヤツにさせられてきた。気づいた頃には写真を見ることすらできなくなっていた。(僕の実家付近には田んぼや畑が多いためヤツがそもそも沢山生息していたのだと思う)ヒキガエルなど他の蛙種には、嫌悪感こそ感じるもののそこまで恐怖は感じない。小さくて、動きが早くて、神出鬼没、でギョロギョロした顔がダメなのだ。

動物園のあとは喫茶店「ギャラン」で煙草を吸いながら休憩した。僕は珈琲フロート、Aはクリームソーダを注文した。居心地の良い店内でついつい話しすぎてしまった。インスタで相互フォローの人が、近くの北千住で展示をやっているようだったのでそれを見に行ってから帰宅した。


8/30(火)
仕事から帰ってきて、22時半からpodcastの収録。上記の動物園感想会を収録をした。配信したものを聞き返すと、僕が下手な日本語で単発的に発している取り止めのない感想をAが正確に繋ぎ止めて翻訳してくれているな〜と思った。「可愛い」という感想よりも「怖い」という感想の方が僕もAも多かったのは、大人になってから行ったからなのだろうか。ハツカデバネズミを見たあと、トイレで自分のちんこを見たら自分自身も動物だなと思った‥という話は元々するつもりなかったのだが、ついハッと思い出して言ってしまった。別に僕のちんこがハツカデバネズミに似ているわけではないということをここでも主張しておきたい。こんなに楽しんで、更にもう一回、イギリスに住んでいるMにお土産が届いた時もう一盛り上がりあるだろうことが今から楽しみでわくわくできている。