井戸

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空に浮かんだカルピスソーダ

0731(日)

多分僕が一番よく寝たと思う。そのくせこの日も一番に起きた。染み付いている6時に起きてしまう癖。寝たあとに一度Gが僕の名前を呼んだら、僕はスッと起きたらしい。全然覚えていないけど、とにかく寝付きが良いのは僕の取り柄だ。

この日は登山靴を履かず、持って行くことにした。昨日ちょっと足が痛くなったし基本サンダルで行って、雨に降られてから履き替えればいいや、と思った。雨だと登山靴の方が何かとラクだが、晴れてるなら履き慣れたサンダルで十分だ。
まずはピラミッドガーデンに行く。フジロック4回目なのにこの会場に行くのは初めてだった。芝生の前に大きいテントのようなステージが立てられていて、周りを囲うように出店や遊具が並んでいた。平和な光景だった。日陰の斜面にブルーシートを広げ、そこに寝っ転がって寛ぐ。完全にピクニックだった。この日も日差しが強く、空が青い。買ってきたラズベリージェラートと珈琲牛乳のウマさが映える。珈琲牛乳に入っていた大きい氷が日光に当てられてキラキラしていた。

MIZ
「虫の声より音が小さいと定評のある‥」と自虐MCで始まる。MONO NO AWAREも好きだが、アコースティックも良い。ハモりが心地よい。「芝生」や「クロスワード」など好きな曲が聴けてよかった。顔を見合わせて、時よりニヤッとしたりしながら音を重ね合わせている様子が微笑ましく、「終わらせ方が分からない〜」と言いながら即興的にアウトロを作り上げていくのも良い。この2人が好き。

Gがのんびりしているビニールシートに戻ると、目の前に浜崎あゆみの顔がデカデカとプリントされたシャツを着たおじさんが寝ていた。めちゃくちゃシュールだった。キャンプサイトの間を抜けて会場に戻る。スキー場らしい、気持ちいい山の斜面が広がっていた。途中道端に、葉っぱがびっしりプリントされた迷彩仕様の小さいテントが張ってあって、「隠密してるね」なんて笑いながら話していたら、中からド派手な紫のタイダイ柄のポンチョを着たお兄さんが出てきて吹き出してしまった。

■elephant gym
今回のフジロックの大本命。以前にも一度来日した時ワンマンを観に行ったが、今回も絶対に見たかったので30分くらい前からレッドマーキーで待機した。初っ端からFINGERで飛ばしてくれる。音の圧が気持ちいい!空気が振動して、ビートを体で感じられる。一気にアドレナリンが出る感覚になった。KTってこんなに小柄で可愛らしかったっけ。「こんなヘンテコな台湾のバンドを呼んでくれてアリガトウ」「お金ホシイホシイ」のカタコトMCも可愛かった。今回のフジロックは感染対策で地面に立ち位置のマーキングがしてあったため、周囲の人とぶつかったり触れ合ったりすることなくゆとりを持って見れる。それもあってすごく心地よく聞くことができた。サポートメンバーで楽器隊が増えると更に音の密度が上がって、空間が飽和していく感じがした。ずっと集中して聴いていたため、あっという間に終わってしまった感覚になった。

川縁でサルサドックを食べる。生のトマトがどっさり乗ったサルサソースがウマい。またしても、「もう帰っていいや」の気持ちになっていた。

■BLACK COUNTRY, NEW ROAD
アメリカのスクールドラマみたいだなと思った。男女みんなTシャツ、短パンで、見たことはないがストレンジャー・シングスってこんなイメージ、と思った。(実際はイギリスのバンドらしい)「コンニチハ、フジロック」とフジロックに挨拶するMCで笑う。サックスやバイオリンなどの楽器が、きれいな歌声に伸び伸びと絡んでいてとても良かった。後から知ったが、全曲新曲の構成だったらしい。中央に立つ男の子が、ちょうどカメラに抜かれた瞬間に「アッ!間違えた!」という顔をする場面が2回ほどあってめちゃくちゃ良かった。緊張してるのが丸分かりで、飾らない素のままに見えた。

合間の時間に煙草を吸ったり、各々食べたいものを食べたりして寛ぐ。I原とGがビニールシートを持ってきてくれていたのがとても役に立った。Gが、「汗で背中が濡れていて気持ち悪い!」と上着をめくってシャツの背中を見せてきたので、触って湿り気を確かめると「えっ!触らせてゴメン!」と謝ってきた。僕はてっきり、確認させたくて背中を見せてきたと思ったので逆に申し訳なくなってしまう。何の思惑も無く触ってしまった。

■中村佳穂
リハの段階からもう楽しさが伝わってくる。中村佳穂ってこんなフワちゃんみたいなノリだったっけ?前から自由な感じではあったが、強まっている気がした。この日のためのバンドメンバーだったらしく、本当にもう、好き勝手やっていた。アレンジしすぎて元の曲が分からないくらい。「口うつしロマンス」「you may they」など聞き知った曲が即興を交えられつつ展開していく様子は楽しかった。相変わらず、喋ってんだか歌ってんだか分からないようなライブ感は生での見応えがある。でもちょっと詰め込み過ぎでハイカロリーな感じもした。そのエネルギッシュさが中村佳穂の良さだとは思うけど。

I原はそのあとの演者も見るとのことだったが、僕とGとIは宿に帰ることにした。前日に引き続き、気持ちいいタイミングで帰るのが良いと思ったからだ。またしてもすんなりバスに乗れる。並んだりギュウギュウになることなく、すごくスムーズに過ごせたフジロックだったな。ひたすらにずっと暑かったけど。コンビニで晩飯を買い、部屋で涼んでからIと風呂に行く。冷水でよく体を冷やし、あがってからも服を着ないで、しばらく扇風機の前に2人で仁王立ちして体を冷ました。アホみたいな光景だったけど、僕ら2人しかいないし、とにかく一日中暑かったので体が火照らないようにしないといけなかった。本当に、とんでもなく、夏だった。

部屋で飯を食いながら喋る。Iは途中熱中症になったり大変だったけど、楽しめたようなので良かった。I原が1時頃に戻ってきて、でもI原が風呂から戻ってくるのを見届ける前に僕は寝てしまった。