井戸

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2人はビール、僕はジンジャエール

0714(木)

9時から19時まで、打ち合わせや来客でみっちり埋まっていた。ここまで余白が無い一日は初めてだったかもしれない。会議が10分早く終わった合間を縫ってとりあえず煙草を吸い、吸ってる間にメールを返したりした。7月に転職してきて僕の上司になった熊さん(熊みたいに大きい40代のデザイナー)は「やっと井戸くんの1日が分かってきたよ‥でもいつデザイン作るの?」と苦笑いしていた。最後、香港に住む多摩美の同級生にZOOMで仕事の依頼をして終わり。

この日は仲の良い後輩のIクンと、秋に転職してきた同い年のSサンと3人で飲みに行く約束をしていた。けど、2人に謝ってあと30分残業させてくれ!と頼む。自分のPCをいじる時間が全然なかったので最低限の作業だけしておきたかった。2人とも笑いながら「今日の井戸さん、マジで席にいなかったですね」と了承してくれた。次から次へと違う案件の打ち合わせで頭がフル回転していたのか、ちょっとハイ状態になっていた。

20時半くらいに3人でオフィスを出て、飲み屋街に向かう。元々この日は「カラオケに行ってみよう」と決まった会なのだが、僕が遅くなってしまったからとりあえず飯を食いに行くことにした。(僕らデザイン室の人はそれぞれ持ってる案件が違うし、帰りの時間がバラバラなので、夜一緒に食べたり、ましてやカラオケなんてほとんど行かないのだ)店を決めていなかったため、前に企画部の人たちと行った台湾天心屋に行くことにした。一つ100円の小籠包が沢山食べられる店。腹ペコな僕らに丁度いい。今年で4年目のIクンとは昼飯をよく一緒に食べていて結構気心知れているのだが、Sサンは同い年なのにじっくり話したことが無かった。隣の席で残業しながら雑談するくらいで。

2人はビール、僕はジンジャエール。それぞれが食べたいものを注文して話す。Sサンはスポーツしてたの?とか大学どんな感じだったの?とか。「多摩美の人はヤンチャだから‥」と言われ、いやいや武蔵美の方がヤンチャだろ!とよくあるやりとりをする。組織の話や先輩の話をして、やっぱりみんな思うこと思ってるんだな‥と思った。2人は割と大人なので言葉や態度に出さないのが偉い。Sサンは結構「ウチの会社らしい」人だなと思った。Iクンは丁寧で几帳面な仕事をすると周囲から評価されているが、実は裏で寝坊したり、大事な会議の日に怪我したりと沢山やらかしている所が人間臭くてイイ。僕には同期がいないし先輩に囲まれて仕事をする環境の方が圧倒的に多かったので、こういう風に話せる男子たちが出来てきて良かったな〜と思う。Iクンの元カノがSサンの前職の後輩だったことが発覚する。Sサンが知ってるのに知らないフリしていたのがウケた。

あっという間に23時近くなってしまい、この日は帰ることにした。それまでにビールとジンジャエールをそれぞれ3回くらいお代わりして、2人は1.5Lくらいビールを飲んでいた。紫蘇餃子がウマかったので最後にもう一回注文して会計をする。ひとり3000円。炒飯やら何やらあんなに食ったのにめちゃくちゃ安い。帰り道にIクンが「最近乃木坂の4期にハマっちゃって‥」と言っていて、僕が賀喜ちゃんの顔が好きというと「推し被りしました!」と笑っていた。

Iクンと別れ、喫煙所に行こうとするとSサンが「一本貰っていいスか?」とついてきた。Sサンはどういうものにハマる人なのか、とか同い年だけど3歳くらいの子供がいることについてなど、この日もっと話したかったけど話しきれなかった。元々カラオケに行こうと言っていたのも、音楽の趣向を明かしたりすることで会話のハードルが下がるだろうなと思ったからだった。僕もまあまあ忙しいけれど、Sサンは初めての繁忙期でしんどそうなので、もっと協力し合った方がいい気がしている。きっかけを僕がもっと作らないとな〜と思った。

小雨が降っていて、僕は折りたたみ傘を差していたが、Sサンは雨に当たりながら吸っていた。傘にいれてあげようとすると「大丈夫です大丈夫です」と遠慮された。まだ相合傘できる関係性ではないみたいだ。

24時過ぎに家に帰る。恋人はもう寝ていて、僕もすぐ布団に入った。