井戸

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2億年前のスミノフ

f:id:id_doi_ido:20220416124347j:plain0411(月)

朝、7時起床。あたたかい日3日目。気持ちよくてこのまま時間を止めてしまいたい。布団の中でごろごろしたり、見れていなかったYouTubeを見たりしてからゆっくり準備して家を出た。

9時半前に出社。打ち合わせをしつつデザインを調整。とうとう抱える案件の数がヤバくなってきた。4月のうちに作らないといけないものが20個くらいある。全部書き出しておかないと取りこぼしてしまうな‥と思いA4の紙に羅列させてみたが、眺めるたび途方に暮れ、かえってやる気が無くなってしまった。

昼は丸々打ち合わせが入っていて13時にカレー屋の弁当を食べる。ボリューミーで美味しかったけど少し高かった。13時半〜17時半もみっちり打ち合わせ。概ね問題なく終わり、とりあえずひとつは片付いた。どれもやっていて面白い仕事だから苦痛ではないのが救いだが、単純にキャパオーバーになりそう。この日ずっとデスクから離れていたせいで携帯の充電が無くなってしまったため、それが溜まるまでデザイン作業をした。18時半に退社。やること自体は沢山あったけど月曜から残業はしたくない。

スーパーで割引寿司を買って帰る。恋人も、仕事で無理な日程の案件を頼まれたようでイライラしていたので、「散歩行きたい」の誘いに乗ることにした。彼はずっと家の中で仕事してるからか、外に出れば元気になる。

晩飯を食べて1時間ほど休み、隣町まで歩く。前まで建設中だったマンションには居住者が入っていた。エントランスを覗いたり、道沿いにある大学の中の学生寮(多分男子寮)の窓を眺めたりした。4月になったばかりだからか、前よりも灯りの点いた部屋が多く、洗濯物が干してある窓もいくつかあった。窓と窓の間隔を見て「広さはだいたいこのくらいかな」とか「トイレ風呂は共同なのかな」とか「学年が上がると部屋は変わるのかな」とかそういうことを話した。僕は美術大学以外の大学を知らないので、サークルとか、講義とか、そういう大学コミュニティの想像が全く出来ない。

街灯が並ぶ直線の道端で、スミノフを片手に持ったひょろひょろの男子2人組が、「よーい、ドン!」で走り出し速さを競っていた。なにこの青春すぎる光景。僕が「スミノフなんて300年くらい飲んでないな」と言ったら、彼は「俺は2億年飲んでない」と変に張り合ってきて笑った。

隣駅のコンビニで納豆とヤクルトを買う。帰り道で3匹ほど猫を見かけた。この辺りは静かで学校も多いし、車通りも少ないため野良猫が多い。綺麗に3色分かれた三毛猫としばらく目があった。

家に帰ると、TwitterのDMに「お話しませんか」という誘いが来る。友人Aの友達で、僕も相互フォローしていた人だ。その人と、Aも交えて3人でSkypeをした。ものまねがめちゃくちゃ上手な人で、芸能人やアイドルのまねをしながら「その人が言いそうなこと」を言って笑わせてくれた。妄想の解像度がとても高くて感動した。その人の話では、こういう場面でこの人はきっとこういう振る舞いをするだろう、というちょっとした癖や所作が(まるで描写の細かい小説のように)鮮明に構想されていた。発せられる言葉のひとつひとつに些細で生っぽい、邦画の質感がある。ノリの良い人で、下世話な話でだいぶ盛り上がりながら1時過ぎまで話し込んでいた。終わった後、しばらくAとLINEをして寝た。