井戸

noteから移行しました。

氷結レモン一缶分の酔い

10/02(日)

ゆっくり起きた。Tシャツにパンツ姿のままベランダで煙草を吸うと、日差しが首の後ろをジリジリと刺す。天気の良い日みたいだ。午前中のうちに出来るだけ仕事をこなしておきたいと思っていたが、全然やる気が出ない。部屋が明るく、時間はゆっくり感じられた。とりあえずラフスケッチだけ描いて、昨日買った漫画を読んで過ごした。

恋人は早々に整体に出かける。こいつはどうしてこんなに1人でアクティブなんだろう。彼の日常のほとんどは僕と出かけるか、あるいは1人でカフェや飯屋に出かけていく。今まで出会った誰よりも友達が少ない。職場にも地元にも(恐らくネット上にも)友達がいない。彼が連絡を取っているのは大学時代の同級生ただ2人だけだ。
1時間ほどして、彼がタイ料理屋の弁当を買って帰ってくる。嬉しい!久しぶりに食べた。ここの太麺焼きビーフンが僕は大好きだ。ガパオライスはヒリヒリと辛くてウマい。テレワークしている時はよく食べてたのに。顔を覚えてくれていた女店主はもう僕のことなんて忘れてしまっただろうか。

18時、押上駅へ。昨日、Twitterの相互フォローの人と黄金湯に行く約束をしていた。湯船に浸かって足を伸ばしたい、と毎日のように思っていたもののずっと行けておらず、たまたま目に留まったツイートにリプライを送っていた。なんとなく波長が会う気はしていたし、断られたとしてもそんなに痛手はないと思っていたら快諾してもらえた。

うまく待ち合わせられなかったらどうしよう、と不安だったけど、地下の改札の前には誰も居なかったためすぐ分かった。小柄で穏やかそうな人だった。名字を名乗り「何て呼んだらいいですか?」と聞くと下の名前を名乗られる。そのまま呼び捨てか、「さん」か「くん」か。下の名前に「さん」付けはかえって余所余所しくしてしまう気がする。距離の掴み方が分からなくて、結局その日、僕が彼の名前を呼ぶことはなかった。

サウナに入るには1時間40分も待つとのこと。ここってそんなに混むんだ。午前中にしか来たことが無かったので驚いた。待つのも変なのでサウナ無しで入場する。横並びで体を洗いながら、出身地や家族構成、今の住居などについてポツポツと会話をした。彼は落ち着いたトーンで静かに話すためたまに笑顔が見えると嬉しくなる。
サウナが無くても、熱湯と水風呂を繰り返すだけで十分気持ちいいし、話も出来てかえって良かった。兄弟の話。彼女の話。結婚の話。Twitter経由で会った人はいるか?という話題で、彼は過去1人だけ会ったけれど、3.4回会った後にアカウントが消えてしまって連絡が取れなくなったと話していた。礼儀正しいし落ち度があるようなタイプには思えなかったので、相手はおそらく全く別の理由で消してしまったのだろう。LINEを交換しなかったことを悔やんでいた。接点の無い人だから気軽に会えるし、気軽に絶てる。スマートな世界は薄くて軽い。僕まで勝手に寂しい気持ちになった。

彼の左乳首の横に黒子があったので、乳首が2つあるみたいですね。と言うと黒子とりたいんですよね‥と返される。失言した、と思った。デリカシーない発言だったかもしれないと反省した。可愛らしい特徴だなと思って言ってしまったけれど、女性の乳首に対する慎重さに対し、男の乳首に対する配慮は欠けていた。

銭湯を出て、風の気持ちいい夜道を歩く。喫煙所にも付き合ってくれた。彼のおすすめの「亀戸餃子」に向かったがあいにく店は閉まっていた。良い店感が溢れ出ていたので悔しい。すっかり餃子の口になっていたのに。代わりに、ともう一つ勧めてくれた「麺屋佐市」へ。牡蠣ラーメンを食べる。おすすめだけあってめちゃくちゃウマい。地元にあった人気の牡蠣ラーメン屋を思い出した。それぞれレモンサワーを頼むと、氷入りのグラスと氷結が出てきた。氷結もまた、久しぶりの味だった。

食後、また喫煙所へ。僕のピースライトを一本あげる。「うまいっすね‥」と小さな声で呟いていた。奇声をあげる老人、人が群がる大道芸。錦糸町の夜ってこんな感じなんだ、と思った。解散してDMでお礼を言った後LINEを交換する。話題に上がったビアバーに今度行きましょう、となった。隣駅に住んでいた友人が越してしまって失われたままだった銭湯友人が出来たかもしれない。温まった身体と程よい夜風、彼の話すトーンとリズム。牡蠣ラーメンで膨れたお腹。氷結レモン一缶分の酔い。向こうがどう思ったから知らないが、僕は誘ってみてよかったと思った。気持ち良くて、帰りの電車は少しウトウトしてしまった。

震えないプリン


10/01(土)

ごみ収集車の音で目が覚める。あ〜ミスった〜と諦めてしまったけど、恋人が家を飛び出してごみ出ししてきてくれた。相変わらずしっかり者で尊敬する。そのまま一緒に風呂に入って活動開始した。

午前中は貯めていた書きかけの日記をまとめて補填する。10月になったし、途中で文章が途切れている日記がメモアプリに散らかっているのは気持ち悪かったからすっきりした。

11時に彼がUbereatsで韓国チキンを頼む。少し早めの昼食。何かのスイッチが入ってしまったのか、来週末は金沢(去年隣町に住んでいた友人Sの家)、11月は仙台(彼の地元)、12月は大阪(先日ディズニーランドに行ったノリでUSJにも行ってみようとなった。僕も彼もUSJには行ったことがない)と京都へ旅行に行くことが決まった。あと恐らく仕事で博多出張もある。今年は1日も夏休み休暇を取っていないので、どちらにせよ有給消化しないといけないし丁度良い。もう少し穏やかな土地に行きたい気持ちもあったが、こういうのはノリで決めてしまうのがいいなと思う。

セックスをした後、彼は髭脱毛に行くというので僕はひとりカラオケに行く。1ヶ月ぶりか。店員のお姉さんに心の中で「久しぶり」と声をかける。僕が行くとほとんどこのお姉さんがレジにいるため、もう機種を聞いてこないし残り10分の電話もかけてこない。1時間半歌うと喉が開いて気持ちがよかった。カラオケの後、煙草を吸っていると寝生活さんからLINEが来る。銀座でお茶しようとのことなので一度家に帰り、身支度をしてから出かけた。

寝生活さんは夏の間具合が悪そうだったため、会うの自体久しぶりだった。夏服より冬服の方が似合う人だなと思った。蔦屋書店で彼の好きな作家さんの作品を見てから、喫煙ブースのあるルノアールに入る。ルノアールは不思議な匂いがした。「古い旅館の匂いがしますね」と言われて確かに‥と思う。角の席にひとりで座っていた女性は、机の下に隠しながらファミマのサラダチキンをこそこそ食べていた。2階席をひとりで回しているらしき男性店員はずっとオドオドしていた。

2人ともアイスコーヒーとミルクレープを注文する。寝生活と言えばミルクレープだ。しかし、ミルクレープは在庫切れ。代わりに頼んだ苺のケーキも在庫切れで、結局彼は固いプリンを食べていた。スプーンでペシペシ叩いてもほぼ震えないプリン。一口貰ったが、プリン味のゼリーという感じがした。知らないプリンだった。僕は肉厚なアップルパイを食べた。チョコレートケーキとチーズケーキはそんなに好きじゃない、という話で合点する。半年ぶりくらいに会ってなんでケーキの好みの話してんだ?と思ったけど、でも、ネットで知り合った人はそういうくらいがちょうどいい。
寝生活さんは2回煙草を吸いに行ってもまだ、プリンをなかなか完食できていなかった。


カラメルまでこんなに形状保持されている。

「井戸さんって偏見多そうですよね」と言われ、お前に言われたくはない。と思ったが、その通りなのでぐうの音も出ない。彼が作っている本の話や今後の展望について話した後、銀座駅で解散。渋谷の蔦屋でブランクスペース3巻と道満晴明の新刊を買った。

恋人は外で夕食を済ましてきたそうで、スーパーで半額になっていた寿司を買って帰った。僕がリビングで食べていると、彼は横から箸を伸ばしていくらや鮪を強奪してくる。でも別にいい。僕は光り物が好きなのでそれさえ食べられれば別に良い。正しくずれている。

ブランクスペース3巻を読み、書きかけていた9月分の日記を書きあげた。なんだかんだ9月の日記も17日分あったので、後からまとめて書いたとはいえ今までの月と同じくらいの分量にはなった。前半だけ投稿し、そのあとはごろごろする。メールの返信やメモなど細かい作業を終わらせて寝た。

真面目な多動


9月後半の日記

9月17日(土)
恋人と上野公園の台湾フェスに行った。彼が前から調べて狙っていたイベントだ。すぐ売り切れそうだったし台風も来ていたので、初日の開園同時に入場。まず服、次に雑貨を買う。予想通り、良いものは売り切れていたので早く来てよかった。3着ほど買えた。欲しいものを粗方狩り終わったあと飯に移行したのだが、冷麺の店のオペレーションが死ぬほど悪く、結局1時間ほど待った。台湾バンドの演奏が見ながら待てたので良かったっちゃ良かったけど、ディズニーランドより並ぶことになるとは思わなかった。彼はめちゃくちゃイライラしていた。台湾飯を食べると5年前、出張で行ったことを思い出す。飯もうまいし、写真集やZINE、台湾の漫画を扱う書店を巡るのが楽しかった。良い思い出しかない。また行きたい。

僕らは数年前からマグネットを集めている。どこかに旅行に行ってイケてるマグネットを見つけたら買い、冷蔵庫に貼っている。(観光地のマグネットはダサいものが多いからなかなか買うことができない)平たいのから立体的なものまで、さまざまだ。世の中のお土産物屋はステッカーやピンバッジではなく、マグネットのグッズをもっと増やしてほしい。

そのあと、サウナ「北欧」へ。「サ道」の撮影が行われているところだ。僕も彼も初めてだったが、予約制だったため特に並んだりすることも無く快適だった。広い外気浴スペースはこの日の気候も相まって、仄かな風が最高に気持ちよかった。
カレーを食べている時、隣の席の人がメンタリストダイゴの弟に似ていたので2人で「お?」となったが、マスクを外したら別人でがっかりする。ダイゴの弟はまあ普通の大学生っぽい感じだろうけど、それでも芸能人のちんことなるとちょっと拝んでおきたいものだと思ってしまう。

帰ろうとした時、彼が「クレジットカードが無い」と騒ぎ始める。入場する時カードで会計していたので、館内で落としたか自分で持っているかのどちらかだ。更衣室を逆戻りするも無い。「鞄の中身を一回全部出してみな?」と僕が言うと「見て、無かったから‥」とブツクサ言っていたが、結局鞄の中の本に挟まっていた。僕が無くしていたら彼はブチギレていただろう。せっかちな彼とマイペースな僕でバランスがとれてるんだろうな〜と思った。

9月19日(日)
ソラマチへ「金色のガッシュベル雷句誠原画展」を観に行く。台風だったけど意外と大丈夫だった。僕はガッシュに対してそこまで熱量があるわけではないが、彼はめちゃくちゃテンションが上がっていた。(チケットも彼が予約してくれた)入口では「カサブタ」と共に映像が流されていて、来場者の思い入れスイッチを入れるような設計になっていた。原画を見る。この人こんなに絵がうまい人だったんだ‥!と驚く。初期の頃からかなり光を意識した着彩をしているように感じた。漫画の原稿もカラーもかなり見応えがあった。僕ひとりでは行っていなかっただろう。来場者が「いかにも」ガッシュが好きそうな男子たちばかりだったのはちょっと面白かった。彼は11月にある冨樫展も予約してくれている。

9月22日(木)
仕事でインタビューを受ける。先輩と2人、対談形式で話したのだが、先輩に「こいつは真面目な多動」と言われてめちゃくちゃウケてしまった。絶対使えないだろそれ。積極的さを表現する褒め言葉として言ってくれている側面もあったのだろうが、ともかくADHDに許容のある職場でありがたい。

最近よく隣の席で仕事をしている同い年の同僚がずっと忙しそうだ。去年転職してきたばかりなのに持っている案件が多い。多いのもあるし、ディレクターがバラバラなのがとてもやりづらそう。僕も余裕があるわけではないけど、手伝ったりした方が良いのだろうか。変に手を出そうとするとかえって迷惑かもしれない‥とイマイチ踏み込めない。見て見ぬふりしていることに罪悪感を感じる。
彼は千葉に住んでいるらしいのだが、半年ほど前に近くのマンションの貯水槽で水死体が見つかる事件があったそうだ。生活用水の中から水死体が見つかるって‥。話しながら、そこに住んでいる人たちの気持ちを考えたけれど、かけ離れすぎていてフィクションのように思えてしまい頭が追いつかなかった。

夜は AとMとpodcastの収録をした。ワンピース嫌いを克服し、読み進めている話をしようとしていたのに、僕の偏見を告白する会へと変わってしまった。厨二病すぎて恥ずかしい内容だったけれど、2人が前向きに肯定してくれたので自尊心が保たれた。ちなみにワンピースは「ウォーターセブン編」と「ワノクニ編」以外全部読んだ。昔から絵がごちゃごちゃしていて苦手だな‥と思っていたのだが、Kindleでカラー版を買って読むとすんなり入り込めるし絵を楽しめる。ルフィが一番強いボスと戦っている所はちょっと飛ばす。船の上で船員たちがわちゃわちゃ楽しそうにしているところが好きなのだが、そういう場面はなかなか描かれなくて物足りない。海賊船に乗ってみたい。と言うとアホすぎるので客船とか。フェリーには乗ったことあるけれど、客室がある大型客船にちょっと憧れを感じる。大人っぽさと男の子感を併せ持っているサンジとロビンが好きだ。

9月23日(金)
祝日だったので、友人GとCと三鷹のコーナープリンティングに行き、シルクスクリーンでステッカーを作った。2版作ってわざと少しズラしたり、弾丸で行ったけどなかなか満足いくものができて嬉しかった。GとCが指輪の話をしていて、僕も欲しいけど自分に似合うかどうか分からない‥と言ったら、Cが作ってくれると言う。(Cは美大で金工を専攻していた)スキニーリングをいくつか付けるのが似合いそうと言ってくれた。確かに、細いリングだったら煩わしくもないししっくり来そうな気がする。

9月24日(土)
鎌倉に住んでいる先輩の家にデザイン室のメンバー5人で遊びに行く。30代で、東京勤務なのに鎌倉に家を買ってしまうなんて思い切ってるな〜と思ったけど、確かに楽しく過ごせそうな場所だった。結局思い切ったもん勝ちである。

プロジェクターで大画面スマブラをやったりナンジャモンジャをしたりした。途中でパスタやら雲呑やらも振る舞ってくれたりして、30代後半が3人いるだけで金持ちの遊び感が凄い出ていた。その先輩は面白いしめちゃくちゃ良い人だけど、こういうデザイナーには俺はなれないと思ってしまう。
僕はゲーム&ウォッチが一番得意なのだが、6人中3番目の実力だったのでなかなか強い2人に勝てなかった。回避とガードがうまくならないとダメだ。合間に海を観に行く。サーフィンしている人が大量にいて、台風ってなんだったんだ‥?という気持ちになった。鎌倉の砂浜でデカ犬を散歩させてる人はどういう暮らしをしているんだろう。ずっと、むず痒いな〜と思いつつ、こういうのが良くない。ただのやっかみだ。仕事の話などもしながら12時から23時まで居座って、まあまあ遊び倒す。職場の人と遊ぶのはかなり珍しいけど楽しい一日だった。

9月25日(日)
午前中そこそこ仕事を片付けたあと、有楽町のファミレスで同期と昼飯を食べる。普段は福岡で働いているのだが、たまたまこっちに来ていた。異動してからのエピソードを聞きながら元カノとのあれこれや、今狙っている女の子について聞く。僕はこいつを含めて3人仲の良い同期がいるのだが、共通して3人とも「賢いのに性欲バカ」だ。欲望に忠実な人は話していて気持ちが良い。開き直って、情けなさや恥ずかしさを受け入れているからかもしれない。

一緒にpodcastをやっている友人MとAとLINEをしていて、恋人に「マメに爪を切れ。爪が長いと日頃手マンしてないんじゃないかと周囲に疑われるぞ」と言われる話をしたところ、脳が性に支配されすぎていると指摘された。僕も人並みに爪を切る方ではあるが、彼は深爪では?というくらい爪を切る。脳が性に支配されているのは僕だけでなく彼もだったんだ‥と似たもの同士で交際できている喜びを謎に感じた。

9月30日(金)
ぎりぎりの案件が続いていたが、ようやく兆しが見えてきてホッとする。ここからまだデザインを詰めないといけないけれど、あとは作るだけなので作業でいい。20時にオフィスを出て、デザイン室の先輩たちと6人で飲む。22時頃に先輩をもう1人呼ぼうか〜と電話をかけると、まだオフィスにいて「本当にヤバくてそれどころじゃない」とのことだった。先輩2人は手伝いに行くことになったが、僕らは多分行っても足手まといになってしまうのでしっぽり飲み続けることにした。案件が増えていることに人が追いついていない。今年は仲の良い先輩からデカい案件を引き継いだから、来年はそれを回して実績を作る。再来年が転職を考える一番のターニングポイントになりそうだな‥と思った。どこに転職するのか、職種ごと変えてしまうか、そういうことを日々考えながら生きようと思った。

男の子だから屋上が好き

9月前半の日記

9月4日からほぼ1ヶ月、日記を書いていなかった。単純に忙しかった。去年までは仲の良い先輩がアートディレクター・僕がデザイナーの2人体制で案件を回していたのだが、組織改革で仲の良い先輩が異動になったため、2人でやっていたことを僕が兼務することになった。(僕も昇格したから仕方ないっちゃ仕方ない)かつ、今年は例年より案件数が多かった。本来繁忙期は8月辺りの筈なのだが、10月になっても未だにバタバタとした日々が続いている。

ただ、折角一年日記を続けたし、自分のための備忘録としても9月にあった出来事を簡単に書く。(「備忘録として日記を付ける」なんて「頭痛が痛い」とほぼ同じ表現になってしまってる気がする)

9月7日(水)
仕事の関係で久しぶりにライブハウスに行った。関係者席的扱いで入場したため詳細は書けないけれど、そこそこ有名なアーティストだった。とはいえ僕は友人が歌っているのを聴いたことがある程度の知識しか無く、どんなもんか楽しみにしていた。が、正直あまり好きではなかった(もうちょっと好きになれる部類かと思っていた)。MCがやたら長く、音楽もだけど、芸風というか雰囲気が好きになれなかった。帰りに渋谷のマイアミガーデンという廃れたイタリアンレストランで後輩と飯を食べた。後輩はあのアーティストが好きらしい。スカスカした一日だった。

9月9日(金)
仕事を早めに切り上げ、八丁堀で行われていた父の個展を観に行った。思っていた以上に良かった。作品は元々実家で見ていたが、白い空間の中に並べられていると、それぞれの質感が際立って意図がより明快に感じられた。レイアウトが良かったのもあると思う。

ただ、このギャラリーに来るような客層だとちょっと違うんだろう。父もそれは感じているようで「あんまり人来なそう‥」としょげていた。今まで他人の展示に出向いてこなかったツケがきただけだろ‥とも内心思ったが(デザイナーにしろ作家にしろ、クリエイターの実力というのは運と縁とコミュケーション力が大きい。本当に。)以前、僕のTwitterアカウントで父のインスタについて紹介した時そこそこRTして貰えたので、ちょっと拡散構文的なものを狙ってツイートをした。思った以上に多くの人にいいねやRTをして貰えたので、もしかしたら数人くらいは見に来てくれたかもしれない。ついでに僕のフォロワーも150人くらい増えてしまったので、感度が合わなそうな人を100人弱ブロ解した。画家の息子のツイートを期待してフォローしてきた人たちに僕のうんこちんこツイートを見せるのは気が引ける。

9月10日(土)
恋人とディズニーランドに行った。10年ぶりだった。podcastでもこのことについては話したが、僕は厨二病偏見を拗らせすぎて遊園地的な施設をずっと楽しめなくなっていた。「ディズニーランドを好き好んでいる男なんてキモい」と長いこと密かに思っていた。しかし恋人や、あるいは職場の人たちが凡ゆるものに向ける「楽しいならいいじゃん別に」という大人な姿勢に影響され、だんだん色んなものをフラットに楽しむことが出来るようになってきた。と思う。(それでもまだ偏見で楽しめていないものはたくさんあるのだが)

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%83%80%E3%83%A1%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%9D/id1470860988?i=1000580481579

下調べの鬼である恋人のおかげか、とても空いている日に入場することができた。主要なものほぼ全てを体験したにも関わらず、待っても30分くらいだった。彼と行ったということもめちゃくちゃ大きい。とても楽しかった。彼は園内の施設のことを「コンカフェ」呼ばわりするし、作りやバックヤードをよく観察していたため、僕ら2人とも「斜めに」楽しむことが出来ていたのがよかった。
「ハンター試験の待機場みたい」とTwitterに書かれていた喫煙所にも行くことが出来た。4ヶ所全て回ったが、灰皿の装飾がそれぞれのエリアに合ったデザインになっていて流石だった。

ディズニーランドでの詳細は省くが、トゥーンタウンにある「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」が一番衝撃的だった。幼児向けのアトラクションだと思って入ったのだが、内容はほぼ、麻薬中毒者のバッドトリップだった。(あくまでイメージである)常に薄暗い空間を激しく回転・鳴り続けるバカでかい破裂音・サイケデリックな点滅・キャラクターの歪んだ顔・忍び寄る影‥。前のガキも後ろのガキもギャン泣きしていて、出口はカオスなことになっていた。入口自体は可愛らしいからタチが悪い。施設内の装飾には沢山の書体が使われていて、仕事としても収穫があった。



チキンレッグのゴミを啄むすずめ



9月12日(月)
なんとか仕事を午前中に押し込み、午後は根津にあるKEKEという店でラグを作った。大学の後輩がやっている店で、イラストを持ち込むと28000円でオリジナルのラグを作ることができる。前からやってみたいと思っていたし、仲の良い先輩に異動祝いとしてオリジナルのラグをプレゼントしたいと思ったのだ。気持ちの良い、共同ワークスペースのようなビルに店舗は入っていて、スタッフもみんな和気あいあいと働いていたため、穏やかな気持ちになる月曜日だった。ラグもいい感じに出来て一安心した。屋上の喫煙所で煙草を吸うと、風も光も気持ちが良い。もっと屋上と関わりのある生活をしたい。男の子だから屋上が好き。(これもまた、偏見である)

そのあと浅草に行き、荒牧悠さんの展示「こう(する+なる)」を観に行った。丁寧で、ストンとした視点が詰まった良い展示だった。不思議な形の金具についてGが尋ねると、お風呂の栓を留める金具です。と教えてくれた。展示用に作っているのではなく、そういうものを見つけ出して選べるところが凄い。夕食は浅草の商店街の中にある、客がひとりもいない蕎麦屋で食べた。僕らが店を出た時はまだ18時だったのだが「閉店」の札に変わっていた。

9月14日(水)
デザイン室のメンバーでVR勉強会と称し、色々なVRが使われているゲームを体験しに行った。先輩がVRゴーグルとヘッドホンを付け、動く足場を歩きながら進むホラーゲームをやっていたのだが、マジでビビっている様子がとても滑稽で面白かった。へっぴり腰でビビってる人の全身を客観的に観察する機会はなかなか無い。
僕はゾンビを撃つシューティングゲームをやったのだが、正面だけでなく横から襲われるのが結構怖い。ついビクッとなってしまう。6人の中で僕が一番高得点を取ったため、しょうもない優越感に浸ってしまった。
夜の飲み会で同僚と漫画の話をする。「ヴァンピアーズ」という漫画を勧められた。知らなかったのだが、同じ作者の前作は僕の超お気に入り漫画だったので即購入した。元々はエロ漫画家らしく、今作は吸血鬼百合漫画である。血を吸われる側の恍惚とした表情の描き方、間の入れ方、笑いのノリなど全部好みだった。おっぱいやちんこをやたらデカく描くエロ漫画が全然好きになれないのだが(それはそれで一種の文化であるとは理解しつつも)この作者は人体のプロポーションがしっかり描けていてとても良い。(ヴァンピアーズは別にエロ漫画ではない)前作「ストレッチ」は同居している2人がただただストレッチをしながら生活するという漫画である。ためになるし面白いので気になった人は読んで見てほしい。

9月15日(木)
7月に転職してきた上司とタイ料理屋でサシ飲みした。とても良い人だけど、良い人すぎてなかなか信用出来ないな〜といつも思ってしまう。

9月16日(金)
9月に転職してきた人の歓迎会。クソ忙しいのにイベントや飲み会が多く、もはやハイ状態になってしまっている。デザイナーで転職してきた同年代の女性が喫煙者ということが判明しアガった。元々うちの組織は喫煙者がとても少なかったのだが、ここ1年で一気に4人増えた。喫煙者の謎の仲間意識。夜の会では、スタッフとして異動してきた人が全員の前でアコギの弾き語りを披露していて観ていられなかった。高校の文化祭の、人気ない人たちのライブ演奏を思い出す。ほぼ初めましての人たちの前で3曲もフルでやりきる度胸がすごい。上手いとか下手とかそういうことではない。ソワソワしてしまったので写真係に徹してうろうろし、気を紛らわせた。

ひとりになったりもする

9/2(金)
19時に仕事を終え、先輩2人と後輩男子の計4人でオフィスの近くにある区民プールに行った。僕がたまに泳いでいる話をした時、興味を示してきた人たちだ。オフィス近くのスポーツセンターは同区の在勤者だと安く利用できるとのことで行ってみることになった。とはいっても一緒なのは入って準備運動をするまで。後は各々黙々と泳ぐ。いくつかのレーンに分かれたことと、そこそこ混んでいたこともあり、あっという間に同僚達を見失う。ラクだった。自分のペースで好きなだけ泳ぐのがいい。ひとりの先輩とは以前スノボに一緒に行ったことがあるが、その時も同じで、リフトから降りると滑るのは一人だった。行き帰り一緒にワイワイするのがいいけど、いざやる時は1人になれる。走るのも然り、そういうスポーツが好きだ。邪魔されないし邪魔しない。同じような動きを繰り返しているうちに、息が上がって頭が熱くなってくる‥みたいなことを書きそうになってハッと気付いたけど、そんなことより勝ち負けのあるスポーツが嫌だったんだ。勝って(必要以上に)嬉しくなる自分がみっともないし、負けて機嫌が悪くなるのも情けない。あーあ‥という気持ちになりたくない。というか負けたくない。負けたら色んな言い訳が頭を駆け巡るのが惨めで辛い。負けるのが下手だ。負けることが(悔しいことが)心苦しい。苦しくならないスポーツがしたい。だから誰とも干渉せず、ただ一人で体を動かしたい。単純に体が疲れてキモチヨくなりたい。行き帰りを一緒にワイワイするのは良い。だからやっぱりプールとスノボは良い。とんでもなく不器用だと思う。僕は500m泳いで出た。シャワーが個室になっていたのがよかった。ひとりの先輩は僕ら3人より後に上がり「1000m泳いだぜ‥」とイキっていてダサかった。

プールから上がったあとはビルの真ん中にある夜の公園でアイスを食べて、サムギョプサル屋で飲んだ。店内では喫煙できなかったが、僕が煙草を持っていることに気付いた従業員が半地下にある薄暗い食材庫に案内してくれた。棚にはその人のものと思しきアメスピと1000円札と小銭、横には大量の卵が積まれていた。汚くて胡散臭くてとても良かった。


9/3(土)
「セブンルール」で紹介されていた「あずきとこおり」というかき氷屋に行った。カウンター7席しかない店なのだが、恋人がいつの間にか予約を獲得してくれていた。フレンチのシェフが作るひとつ2500円のかき氷。これから5年分くらいのかき氷を1時間に凝縮するつもりで向かった。僕が頼んだ「プルーンとメレンゲ」はふわっと溶ける氷の上にさっくりしたメレンゲとプルーンのみずみずしい実、中にはジャムなどが層になって入っていた。ウマかった。そこそこ驚くくらいには。食感や味の濃淡がしっかりしていて、飽きずにペロッと食べることが出来た。でも、それはあくまでかき氷界の中で一番おいしいという感じだった。かき氷はどこまで高みを目指しても所詮水で、生地には叶わないなと思った。

そのあと田町にあるサウナ「paradise」に行く。僕は会社の人と来たことがあるが恋人は初めてだった。一回サウナと水風呂に入ったところで彼は「ごめんもう出る」とすぐ脱衣所に行ってしまう。気分でも悪くなったのか?と心配をしたが、どうやら顔見知り(に見える人)が居たらしい。彼はこういう「予期せぬ接触」を極端に嫌う。徹底した鎖国っぷりを発揮していた。まあここは時間制だし、割高なサウナなので早く出ても別にいいやと思った。
残された僕はひとりで火照った体をしっかり冷まし、休んでから出た。相変わらず若者とマッチョが多く、意識高い空間だな〜と思った。忙しなくて落ち着かない。僕が水風呂に入っていると、ちんこ以外ほとんど全身刺青の入った人が入ってくる。サイボーグみたいだった。張り巡らされた墨の真ん中、ポカッと丸く空いた地肌のスペースに垂れ下がるズル剥けちんこはさながら兵器のように見えた。ちんこには刺青入れられないのかな。亀頭はともかく包皮にはいけそうな気がするが、勃起したら柄が伸びてしまうからだろうか。

帰宅すると2人ともすぐ寝てしまった。先日恋人が通販で買ったLサイズのシャツが届いていたのだが、開封するとなぜかXLだった。販売元に問い合わせてみるも「返金いたしますので、商品はお客さまの方で処分していただけますと幸いです」という返事。触り心地が微妙だったから別にもういいけど、処分してくれとわざわざ言う必要無いのでは?と思った。


9/4(日)
ひとりで千葉県にある川村記念美術館に行った。企画展「カラーフィールド」の最終日だったからだ。川村記念美術館は友人Aが好きな美術館で、以前にも2人で行ったことがある。常設で「マーク・ロスコ」の作品が7点ぐるっと展示されているロスコルームはこの絵のための「特別な部屋」という感じがして、いつ行っても良い。他の部屋もこの場所らしい静かさや空気の冷たさがあって、絵云々以前に、行くだけで気持ちがいい美術館だ。

東京駅から総武線で13駅たっぷり揺られて辿り着く、何にも無い街から更に送迎バスで30分。田んぼや畑道を越えた先の森の中に川村記念美術館はある。Aが「何回も行った」と勧めてくれて、どうしても観たかったカラーフィールド展は2部構成になっていた。1部はリキテンスタイン、モネ、マグリットマティス中西夏之、サイトゥオンブリーなど様々な作家のコレクションが「赤の部屋/青の部屋‥」と色別に展示された展示室。全然違う技法や歴史を持った作品群を「ただ色が似ている」だけでくくって観るのは新鮮だし、かえってそれぞれの目的の違いが浮き彫りになるようで面白かった。2部目は近代「色」をテーマにした9人の作家の展示。こちらもめちゃくちゃ見応えがあった。色や構成の緊張感は勿論よかったし、ジュールズオリツキーの絵を何度も何度も見返してしまった。まるでボケた写真のように、色が溶け合って重なり霞がかかったような(それでいてデカい)絵。どういう構想をしてこの仕上がりに辿り着けるんだろう。盛り塗りされたテクスチャがギンギンに生きた作品には、画像や画集では到底再現できない実物の凄みがあった。他にも、ケネスノーランドの、キャンバスの眼の上にピタッと厚塗りされた絵の具が照明によって細かくキラキラしていたのがきれいだった。自分も色彩構成をしているときに「気持ちのいい厚塗り」が出来た瞬間ってあったな‥と思い出す。モーリスルイスは元々好きだったのだが、この並びで見ることにより、一層好きだなと思うことができた。完売していた画集の受注予約をした。

展示の良さに浸りすぎてぼーっとしていたのか、帰りの送迎バスの中に財布を置き忘れる。幸い電車に乗る前に気付いたため、美術館に電話をかけ、そのまま何もない駅で1時間待つことにした。セブンの喫煙所でひたすらに煙草を吸った。往復のバスではpodcastを聴いていた。もし誰かと来ていたら、クソみたいな待ち時間で申し訳ない気持ちになっていただろう。ひとりで来て良かったなと思った。丸の内で買い物をして帰宅した。朝10時に出て帰ってきたのは18時くらいだった。ひとりでこんなに長旅したのは久々だったように思う。

スマトラトラとウイスキー

8/26(金)
19時頃まで残業をしていると、ひとつ年上の同僚も珍しく残業していた。この人はいつも早く帰ってしまうため、声をかけて話している内に「折角残ってるなら終わってからカラオケ行く?」と盛り上がる。後輩男子にも声をかけて20時半頃3人でオフィスを出た。
帰る時間も考えて飯屋には入らず、カラオケに直行する。僕は空腹だったので店内メニューにあったチーズナポリタンを注文した(それくらいしかまともな飯がなかった)。ゲロのような味がしたが、むしろそれがカラオケらしくて謎の納得をしてしまう。後輩男子とはこの前も一緒に行ったばかりだったけれど、僕が歌っていた赤い公園の曲を気に入ったようで早速歌い心地を試していた。彼は髭ダンやvaundyのような流行り歌を歌いながら、ふいにaikoなんかも歌うため聞いていて面白い。ひとつ年上の同僚とは5.6年ぶりのカラオケのような気がしたが、「こういう選曲する人だっけ?」というようなチョイスで不思議な気持ちになった。3人ともお互いの知らない曲を平然と入れるため、とてもラクな会だった。2時間歌って23時頃に店を出た。


8/27(土)
午前中だらだらした後、恋人と2人で家を出る。中野にあるウズベキスタン料理の店「VATANIM」に行く。先日、彼が書店帰りに「航空券1100円だった♪」と言いながら見せてきた「東京に居ながら世界の料理」(のようなニュアンスの名前の)グルメ本の中から決めた店だ。ウズベキスタン料理がどんなものか全く想像つかなかったが、写真を見る限りウマそうだったので期待していた。中野サンプラザの横を通ると何やら「それらしき」おじさんが多い気配を感じたので調べてみると、ハロコンが開催されているらしい。いつか行ってみたいと思ったけれど、同時に「それらしさ」に入り込めるか分からない不安も感じた。

VATANIMはめちゃくちゃ良い店だった。そんなに広くない店内で、壁にはウズベキスタンの(ファミマみたいなカラーリングの)国旗がかかっている。基本的に店員も客と一緒に座って雑談をしていて、料理が出来た時や他の客に呼ばれた時だけ立ち上がる、外国らしいイイゆるさがあった。常に現地の歌謡曲が流されていたのだが、哀愁漂う美しい声の女性の歌で、午後の日差しが差し込む店内と切ない雰囲気が妙にマッチしていた。料理もとてもおいしくて、ショルヴァ(ラム肉のスープ)、マンティ(ヨーグルト風味のソースがかかった大きい焼売のようなもの)、シャシリク(ラムと鶏の肉の串焼き)、タンディール ノン(中がぎっしりと詰まった丸いパン)、ヴァタニム(ドライフルーツとサワークリームのアイス)などを食べた。ラム肉は全然クセがなく、むしろ食感がしっかりしていて僕の好きな味だった。ヴァニタムは僕の好物のヌガーグラッセに似ていて、かつかなり具沢山で食べ応えがあった。ヌガーグラッセはフランス料理、カッサータはイタリア料理、ヴァニタムはウズベキスタン料理‥と似ているのにどれもちょっとずつ作られ方が違うのが面白い。炒飯・ナシゴレン・パエリアなんかもそうだけど、同じようなアウトプットを目指しつつ、それぞれ違う味覚・文化が組み込まれている料理って不思議だなと思う。文化の伝来からそうなっていったのか、それとも「米を炒める」みたいな工程からそれぞれの国でそれぞれ生まれたものなのか、そういうのはちょっと調べてみたい。後者のような「たまたま」似た工程を歩んで行き着いた似た料理を比較してみたい。逆に工程だけを輸出入して、素材や調味料に現地のものを使えば、21世紀になった現代でもまだまだ「今は名前のない料理」を生み出すことも可能なのだろう。

飯の後は2人で中野ブロードウェイを歩く。本屋タコシェで恋人は漫画を数冊買っていた。いつも上の階ばかりを歩いていたのだが、初めて地下にも降りてみる。八百屋や魚屋がこんな安いなんて知らなかった。ここってこんなになんでもあるんだなと驚く。売店でいちごとピスタチオのソフトクリームを食べて帰宅した。


8/28(日)
先日のpodcastでAとMと話した「上野動物園に行ったことのない僕のために最高のルートをプレゼンする回」を実現するべく、Aと2人で上野動物園に行った。podcastで感想を話しているので、詳しくはそちらを聞いてみて欲しい。600円で6時間も滞在できて、動物園があんなに楽しめる場所だなんて知らなかった。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%83%80%E3%83%A1%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%9D/id1470860988?i=1000578041166

ちなみにpodcast内では特に説明しなかったが、パンダは既に前売り券が完売してしまっていたため見ることができなかった。でもそんなこと忘れてしまうくらい色々な動物を見ることが出来たので特に問題はない。

動かない動物ばかりで退屈になってしまうことを想像していたのだが、この日の動物たちは結構駆け回っていて、スマトラトラなんてまさに、「分かったような顔でウロウロウロ檻の中」していた。また、動物を見ている人たちって面白いんだなーという発見もあった。マッチングアプリで出会ったばかりのように見える男女、恐らくyoutuberで動物園での企画を考える会話をしている青年2人組、通りがかりの来場者に知識をひけらかす来場者のおじさん、鳥の性別を言い当てる特殊能力を持った幼女‥など、不思議な人がたくさんいた。勿論、一緒に行ったAもいつも通りの切れ味で、動物園が好きだという気持ちを強調するために「水族館は空気が悪いよね」と水族館を貶していたり、「大学の同級生にデグーみたいって言われたことある。デグー、バカそうだよね。」などとキラーフレーズを連発していた。全然退屈にならなかった。

前回のpodcast内で「ヌメヌメした生き物が嫌いだ」という話をしたのだが、正確には、僕はアマガエルが大の苦手である。いまだにアマガエルを見るだけで背筋が凍り、鳥肌が立ち、喉の奥が締まる。いつまで経っても拭えないトラウマになっている。明確に原因は分かっていて、小学生に上がる前くらいの頃、自宅の風呂の窓を少しだけ開けて入浴しているときに、その隙間から2匹のアマガエルがぴょんと侵入してきたことがあった。僕は驚いて勢いよく仰け反り、蛇口に後頭部を強打して流血した。他にも、自転車の取っ手を握ろうとしたら引っ付いていたアマガエルを握ってしまったこと、自販機の取り出し口の中にアマガエルがいたこと‥など、幾度となく「ギャッ!!」という体験をヤツにさせられてきた。気づいた頃には写真を見ることすらできなくなっていた。(僕の実家付近には田んぼや畑が多いためヤツがそもそも沢山生息していたのだと思う)ヒキガエルなど他の蛙種には、嫌悪感こそ感じるもののそこまで恐怖は感じない。小さくて、動きが早くて、神出鬼没、でギョロギョロした顔がダメなのだ。

動物園のあとは喫茶店「ギャラン」で煙草を吸いながら休憩した。僕は珈琲フロート、Aはクリームソーダを注文した。居心地の良い店内でついつい話しすぎてしまった。インスタで相互フォローの人が、近くの北千住で展示をやっているようだったのでそれを見に行ってから帰宅した。


8/30(火)
仕事から帰ってきて、22時半からpodcastの収録。上記の動物園感想会を収録をした。配信したものを聞き返すと、僕が下手な日本語で単発的に発している取り止めのない感想をAが正確に繋ぎ止めて翻訳してくれているな〜と思った。「可愛い」という感想よりも「怖い」という感想の方が僕もAも多かったのは、大人になってから行ったからなのだろうか。ハツカデバネズミを見たあと、トイレで自分のちんこを見たら自分自身も動物だなと思った‥という話は元々するつもりなかったのだが、ついハッと思い出して言ってしまった。別に僕のちんこがハツカデバネズミに似ているわけではないということをここでも主張しておきたい。こんなに楽しんで、更にもう一回、イギリスに住んでいるMにお土産が届いた時もう一盛り上がりあるだろうことが今から楽しみでわくわくできている。

薬漬けフェイス

8/21(日)
先週父の誕生日があったため、一週遅れで実家に帰る。無花果のショートケーキ、パイナップルとライムのパイ、レモンのミルフィーユを買って行った。父には少し重たいかな‥と思っていたけれど、案外バクバク食べてくれて驚いた。父が毎年作るタンシチューも食べる。今年は出来が良く、油っぽくないのに柔らかくて美味しかった。付け合わせの平たいスパゲティ(麺の名前が分からない)が無かったのはちょっと残念。父が煮込んだソースを平たいスパゲッティに絡めて食べるのが僕は好きだった。
数年前発覚した父の癌はこの間の検診で完治したそう。ステージ3で判明し、先は短いと言われながら手術をして闘病していたのだが、生存率15%を俺は生き延びた!とかなんとか威張っていた。僕と母も大変だったのでうるせーと思ったが、まあ、元気ならなんでもいい。

30歳になったから、と急に相続やら何やらの話をされたが、父「俺は画家で食っていくと決めてたから、祖父が養育費を援助すると言わなければ子供を作るつもりはなかった。お前は祖父のおかげで産まれた」母「お祖父さんは曾孫が見たいとか言ってるけど、あんたの好きにした方がいいよ。子供を育てるのは本当に大変だし、お腹から人間が出てくるのってエイリアンみたいだし、本当に可愛がれるかなんて分からないしね。」‥と、息子に言うべきでは無いであろう言葉が飛び交って乾いた笑いしかでなかった。僕にデリカシーが無いのはこの親の遺伝ということにしたくなる。それとも、僕が同性と交際していることに実は気付いていて、気遣いからこういう言い回しをしているのだろうか?(だとしても不器用すぎる)
うずまき(猫)は階段を降りた辺りの廊下の床が気持ちいいらしく、ずっとそこに寝そべっていた。2階だとクーラーが当たりすぎるし、1階のリビングは暑いんだろう。


8/22(月)
午後休で13時にオフィスを出て、初めて髭脱毛に行った。恋人が2ヶ月前から通っていて(彼は元々髭が薄く、ほとんど生えていないように見えるのだが)紹介だと安くなるというので、僕も行ってみることした。顎は髭を生やしているのだが、前から頬を脱毛したいと思っていた。極端に肌が白いため、剃ったあとの頬の青髭が普通の人より目立ってしまうのだ。
1時間麻酔を浸透させた後、処置室に案内される。仕切りで個室風に区切られた椅子だけの空間に、麻酔中の男たちが横並びで座っている状況はシュールで面白かった。施術中は目隠しをされるため、何をされているのかあまりよく分からないが、「痛い」と言うと弱められて効果が出ない気がしたのでひたすら我慢した。と言っても、照射される瞬間に体がビクッとなってしまうためバレバレで、そんな自分が滑稽でまた面白くなってしまった。髭が生えるサイクルというものがあるらしく、少なくとも半年は通わないといけないらしい。剃らなくても良くなるならラクでいいな。施術を受けるまでは、脇やちん毛(完全にパイパンにするつもりは無いが少なくしてもいいかなと思っていた)も脱毛してしまおうかと思っていたが、そこそこ照射されるのも痛かったため、とりあえず顔だけでいいやと思った。

そのあと住民票を取りに行く。いい加減、怠惰していないでマイナンバーカードを作らないとと思う。だけどこういう全ての手続きが煩わしい。仕事してるだけで褒めてほしい。


8/23(火)
17時に退社して歯医者へ。親知らずを抜く。なぜ脱毛の次の日に親知らずを抜く予約を入れてしまったのか。顔を酷使しすぎている。退社する時、仲の良い先輩と鉢合わせて「どこかお出かけ?」と聞かれたので「親知らずを抜きます」と答えると「アチャー憂鬱だね」と脅された。やはり腫れるのだろうか。隣駅の歯医者に着くとすぐ中に通された。普段見ない医者(多分抜歯専門の人なんだろう)がテキパキと麻酔をしてくれる。昨日は外側の麻酔をして、今日は内側の麻酔。顔がおかしくなっちゃったりしないだろうかと急に不安になった。

「じゃ、ちょっと押すね」と言われ歯に圧がかかる。痛くは無い。ミシミシッ‥という音がかすかに頭の奥で鳴った。3秒ほどして、「はい、抜けました。」え?今のでもう抜けたの?歯が?医療の発展すごすぎる。木の枝を折るような音がしただけで終わった。既にサイドテーブルには、血まみれの、絵に描いたような形の歯が転がっていた。あれが僕の口の中にあったのか〜なんてぼんやり思っているうちに上の歯も抜かれ、終わり。本当に呆気なかった。サッと帰されそうになったので折角だし‥と思い、「その抜いた歯、ください」と言ってみた。小さい歯の形のケースに収められ渡される。先輩、どこが憂鬱なんですか!と思ったけれど、そのあと看護師に「きれいに生えてたから簡単に抜けましたね」と言われた。なるほど。来月反対側も抜く予約をして医院を出る。まだ麻酔で顔の半身がおぼつかないが、気持ちがザワザワしていたので喫煙所で煙草を吸った。周りの人から「親知らずを抜いた直後の人間」であることが気付かれないか‥?と謎の勘ぐりをして余計にザワザワしてしまった。


8/24(水)
仕事で芝山さんを呼んでの撮影だった。先週もお願いをしていて、結局丸々2日間かかってしまったが、いい感じに撮れてそうだったので芝山さんにお願いして正解だった。昨日親知らずを抜いたところは全く腫れる気配が無く、「昨日親知らず抜いたんですけど‥」という話をするたびに驚かれた。アシスタントの方は午後別件があるということで一足先に帰ってしまい、昼食は2人でカツを食べた。食べながら旅行に行きたいですね、という話をする。金沢に引っ越した僕の友人のところに行くのもアリ、という話になった(芝山さんと友人はスペースで一度話したことがある)が、折角なら寝生活さんと3人でまた旅行したいですよね、と盛り上がった。大阪のfutouに行った時はかなり弾丸旅だったけど、今思い返してもとても楽しかった。寝生活さんはちょっと今調子が悪そうなので、元気になったら計画を立てましょうということで話はまとまる。金沢に新幹線で行って、芝山さんはそのまま写真を撮る旅をしたいとのこと。いいな、それ楽しそうだな。17時頃に芝山さんを見送ってから、3件仕事の打ち合わせをした。

仲の良い先輩が9月1日付けで正式に異動になってしまうため、ご飯に誘うメールを送ってみた。今更変に形式張るのはなんだか恥ずかしいな、と思って躊躇っていたのだが、あっさりOKの返事が来る。前にも日記に書いたかもしれないが、大学生の時に読んだ「人は誘う人が3割、誘われ待ちの人が7割。だから誘う側の人がいつも得をする」という文章がまた頭をよぎった。誘われて嫌な人なんてそうそう居ないし、断ったって別にいいんだから、きっかけを作ることの方が大事なんだろうと思う。大学生の時にあの文章を読んでいたおかげで前向きに行動できたタイミングが、僕には結構あると思う。


8/25(木)
この日は朝からずっと打ち合わせの連続だった。最後の打ち合わせの前1時間で、作りかけだったデザインを仕上げる。いい案がなかなか浮かばなくてめちゃくちゃ冷や汗をかいたが、打ち合わせまで残り10分の時に付け足して作った案がチームにウケて、その方向でまとまった。追い詰められるとなんとかなる。ひとまずうまく行きそうで安心した。

19時過ぎにオフィスを出て、そのままチームで飲み会。僕は仲の良い先輩から仕事を引き継ぐ形でこのチームに入ったので、このメンバーでの飲み会は初めてだった。5年目の企画の女の子に「井戸さん出身どちらなんですか?」と聞かれて答えると「私の仲良い同期もその辺り出身って言ってました!」というリアクションが返ってきて、話を続けていく内に、めちゃくちゃ家が近く、かつ僕の高校の同級生の妹が彼女の同期だということが発覚した。世間は狭い。僕の高校時代の痴態がバレるのは恥ずかしかったので、「それはここだけの話に‥」とお願いしておいた。性格のイイ子だから多分大丈夫だろう。このチームは年が近い人も多く、普段からしょっちゅう顔を合わせているので飲み会はとてもラクだったが、やはり4人くらいを超えると飲みながら会話するのは難しいな〜と思った。後半はほとんど聞き役に徹してしまった。3年目の男の子は僕の隣駅に住んでいたので一緒に帰る。ディズニーランドでバイトをしていた‥という大学生時代の話をいろいろ聞いて、知らない世界があるもんだな〜と思った。